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薬用作物の需給情報

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)

Japan Kampo Medicine Manufacturers Association (JKMA)

日本国内で生薬を原料とした漢方製剤・生薬製剤・生薬の製造業者と製造販売業者などによる製薬業界団体。1983(昭和58)年7月21日に設立。
65社

2017年10月1日時点



〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町16-19 渡林(とりん)日本橋ビル3F
http://www.nikkankyo.org/



データは日漢協調べ

  

原料生薬の安定確保は、日漢協の重要事業の1つ

「中長期事業計画2017(5ヵ年計画)」および「平成29年度日漢協事業方針」(生薬委員会部分抜粋)

1.原料生薬の安定確保
(1)生薬の国内生産の推進・拡大に向けた施策等を検討する。
(2)輸入生薬の安定確保に対して適切に対応する。
(3)生薬の使用量調査等、原料生薬に関する流通実態を把握し(原料生薬使用量等調査、中国産生薬価格指数調査等)、的確に対応する。
(4)絶滅のおそれのある野生動植物種についてワシントン条約の遵守・推奨を図り、必要な生薬の確保について対応する。

2.原料生薬から最終製品までの品質確保
(1)日漢協版GACPの啓発活動を推進する。
(2)中国の生薬栽培で使用されている農薬について実態調査し、的確に対応する。
(3)漢方製剤等の残留農薬、重金属、微生物など安全性に係る品質確保を一層強化する。
(4)日局および局外生規未収載生薬の収載並びに既収載生薬の見直しをさらに推進する。

日漢協が関係する医薬品(生薬が原料)

漢方薬の原料となる生薬

原料生薬の使用量動向(日漢協調べ)

2014年度では総量25,419トンの原料生薬を使用しており、うち中国産が約79%、日本産が約10%を占めている。

※2014年度の使用量の減少は、数社からのヒヤリングを実施した結果、前倒し生産が実施された等の回答が得られた。


データは日漢協調べ

使用量上位20の品目(2014年)

(単位:kg)

生薬名 基原・薬用部位 総使用量 日本産 中国産 その他
1センナジツセンナの果実2,200,031002,200,031
2カンゾウ(甘草)ウラルカンゾウ、スペインカンゾウの根およびストロン1,565,37101,564,3711,000
3ブクリョウ(茯苓)マツホドの菌核1,477,7191011,475,4782,140
5シャクヤク(芍薬)シャクヤクの根1,463,88316,8671,447,0160
4ケイヒ(桂皮)シナモム・カッシアの樹皮1,026,7850885,990140,796
6コウイ(膠飴)アメ847,216847,21600
7トウキ(当帰)トウキ、ホッカイトウキの根840,053184,712655,3420
8タイソウ(大棗)ナツメの果実820,4530820,4530
9ハンゲ(半夏)カラスビシャクの塊茎812,1900812,1900
10ソウジュツ(蒼朮)ホソバオケラの根茎810,4460810,4460
11ニンジン(人参)オタネニンジンの根688,306998687,010298
12サイコ(柴胡)ミシマサイコの根601,07615,410585,258408
13マオウ(麻黄)マオウの地上茎586,4380586,4380
14センキュウ(川キュウ)センキュウの根茎540,827404,431136,3950
15カッコン(葛根)クズの周皮を除いた根502,11315499,1652,933
16ヨクイニン(ヨク苡仁)ハトムギの種皮を除いた種子471,88045285,945185,889
17ビャクジュツ(白朮)オケラ、オオバナオケラの根茎468,1730467,988185
18タクシャ(沢瀉)サジオモダカの根茎431,2160431,2160
19ジオウ(地黄)カイケイジオウ、アカヤジオウの根411,2552,275408,811168
20ショウキョウ(生姜)ショウガの根茎391,05640391,0160

データは日漢協調べ

  

2015年度の主な国内生産品目
―原料生薬使用量等調査報告書収載生薬をピックアップ―

「薬用植物及び和紙原料等に関する資料 平成29年2月 日本特産農産物協会」より

国内生産と流通状況

○専ら医薬品(生薬)に用いられる薬用作物の生産の推移

※(公財)日本特産農産物協会「薬用作物に関する資料」より


○薬用作物の販売流通経路
“市場”が存在せず、生産者と漢方薬メーカーとの間で「全量契約」する場合が多い

○薬用作物が生産者と実需者との契約により栽培されていることを踏まえると、生産拡大のためには需給情報の交換・共有が重要。

2013~2016年度、4年間のマッチング概況

2013年度2014年度2015年度2016年度
要望票提出都道府県37道県38都道府県28道県16県
要望票受領数137団体・個人134団体・個人74団体・個人18団体・個人363団体・個人
折衝開始45団体・個人
(27道県)
36団体・個人
(22都道府県)
15団体・個人
(13道県)
12団体・個人
(12県)
108団体・個人
折衝成立19団体・個人
(15道県)
11団体・個人
(5道県)
5団体・個人
(5県)
1団体・個人
(1県)
36団体・個人
折衝中 0団体・個人
(-)
 2団体・個人
(2県)
3団体・個人
(2県)
4団体・個人
(4県)
9団体・個人
折衝成立品目 計21品目
クロモジ、サイコ、
サフラン、シコン、
シャクヤク、ビワヨウ、
ボウフウ、ヨクイニン等
計13品目
ウイキョウ、キキョウ、
サイコ、シャクヤク、
センキュウ、トウキ、
バクモンドウ、ハマボウフウ、
ハンゲ等
計6品目
インヨウカク、ジュウヤク、
ボウフウ等
計1品目
シコン
計41品目
2017年3月31日時点

2013~2016年度、4年間のマッチング概況

【 折衝成立36団体 】
⇒①折衝中止  17団体(20品目)
⇒②折衝継続中 19団体(21品目)
⇒①折衝中止の理由について
 品質規格を満たさなかった(4)
 価格や支払条件が合意できなかった(5)
 出荷数量が合意できなかった(1)
 将来の生産計画が合意できなかった (1)
 どちらかの方針が変更された(4)
 試作失敗(5)

⇒②折衝継続中  継続しているが、産地化において最も苦労した事柄
・品質の確保、安定化
・生産量の確保(生産者、面積)
・種苗の入手
・指導者の確保
・薬用作物用の加工設備の確保
・収穫まで複数年を要する

有効回答数:22事業実施主体(無回答:2事業実施主体)複数回答可

折衝後の取り組み事例(長野県)

1.2015年12月【要望票提出】
2.2016年3月【折衝開始~試作への合意】
3.【試作開始】初年度試作面積4a
4.【現状】2年目試作面積10a

薬草を活用した地域おこしを目指し、生産者20人が新たな組織を立ち上げた。
品目:実需者より提案を受け決定   ※ボウフウ、インヨウカク
種苗:実需者からの提供
試作栽培:産地と実需者が協力 ※試作経費は地方自治体の事業を活用(自己負担は25%)
実需者の指導:数カ月に1回の頻度、生育確認とその対応
ビニールハウス、堆肥置場、ソーラーパネルを導入済   ※地方自治体の事業を活用(自己負担は25%)
【課題】

●機械化などによる作業の省力化
※栽培管理農機(トラクター、畝立機、収穫(掘取)機)の導入
●加工場(建屋、洗浄機、乾燥機)などの導入に対する支援(補助事業)

要望票での栽培希望品目(生産者側)の傾向ー 4年間のまとめ ー

下線品目:日本で現在生産実績なし(2014年度使用量調査より)

計139品目:医薬品原料でないものも含む
延968件 :希望品目無し等を除く

折衝成立、折衝不成立のポイントは?

折衝成立

  • 栽培希望品目と合致 (使用量が多い)
  • 中国産との価格差が小さい
  • 試作経験有
  • 生産栽培に近い状況
  • 生産種苗を持っていた(昔からの産地や試作経験有)
  • 地理的に指導や打合せが容易
  • 加工施設等の公的バックアップ有
  • 産地拡大の可能性高、拡大志向有
  • 個人でなく団体での取組
  • 先方の熱心な姿勢

折衝不成立

  • 価格面
  • 試作実績無
  • 生産レベルでない、生産量少
  • 品質が合わなかった
  • 地理的に遠距離で指導が難しい
  • 産地規模が小さく(加工施設等の)金等の申請が期待できない
  • 先方からの断り、返答無

日本産および中国産生薬の購入価格並びに日本産生薬の生産希望品目に関する調査(2017年7月)
調査結果

目的

  1. 日本産と中国産の原料生薬の購入価格を調査することにより、中国産生薬との価格差を明確にする。
  2. 日本産生薬の生産希望品目をより明らかにし、国内における薬用作物生産振興に向けた施策を立案する。

調査対象品目および調査項目

第5回原料生薬使用量等調査品目 322品目
  1. 日本産および中国産の原料生薬購入価格(※工場仕入価格)
  2. 日本産生薬の生産希望品目と概略の数量

調査対象会社

日漢協加盟会社のうち、日本産原料生薬を生産者または生薬集荷業者から、また中国産原料生薬を中国の輸出業者等から、直接購入している会社を対象とする。

調査対象年

2006年および2016年(購入実績がない場合、その前後直近の購入年で可)

アンケート回収状況

■発信 全66社のうち
①回答 44社 ②未回答 22社 合計66社

調査結果①中国産と日本産の価格

調査票より、2006年度と2016年度の両方で日中いずれにも取引実績のある品目について抜粋し集計、単純平均値

調査結果②日本産購入実績のある品目と価格帯

■2016年度 78品目/322品目

  • 動物・鉱物生薬を除く
  • 刻み生薬については価格帯から除外した
※使用量上位10位まで
※使用量上位11位~20位

調査結果②日本産を希望する品目(2016年度現在 購入実績のないもの)

■2016年度 152品目/322品目

※使用量上位10品目

日本での生産を実現するための条件

  1. 種苗の確保
  2. 栽培および加工技術
  3. 医薬品として使用可能な品質
    日本薬局方の規格 + 各社が必要に応じ設定した上乗せ規格  中国産との品質同等性
  4. 生産コスト
    中国産同等か、それに近いレベルであること
  5. 数量及び継続性
    医薬品原料ロットとしてまとまった数量
    原料生薬の必要数量を長期安定的に確保できるか

薬用作物産地確立支援事業

薬用作物産地支援体制整備事業

日本漢方生薬製剤協会
高品質な漢方製剤、生薬製剤および生薬を継続的に安定供給
(一社)全国農業改良普及支援協会
効率的な農業技術・経営方式の普及の推進
農業改良普及事業等に関する講演会及び研修会の開催

薬用作物産地支援協議会
農林水産省生産局長より、当該支援事業の補助金等交付候補者として選定され割当内示を受けた。
昨年度から同様の体制で事業を実施している。
事業内容具体的な内容
検討会の開催 薬用作物の知見や栽培経験を有する有識者等での事業内容の確認。 有識者8名に委嘱し、事業のあり方、確認、評価。
事前相談窓口の設置 薬用作物の産地化を望む地域の要望や課題に応じた統一的な指導体制を確立するための窓口設置。 専門相談員1名を確保し窓口対応を担い、また専用HPの立ち上げにより事前相談窓口を設置。
地域相談会の実施 薬用作物の国内原料の安定供給や需給に関する情報の受発信による産地サイドと実需者サイドの連携を図るため、相談会を実施。 全国8ブロック(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、九州・沖縄)にて生産希望者を対象に生産者・実需者の連携。
栽培技術研修の実施 薬用作物の栽培指導者等を対象に、薬用作物の産地形成や栽培技術指導の確立を図り、産地の生産性向上を高めるため、栽培技術研修を実施。 普及指導員、営農指導員を対象にミシマサイコ、センキュウ、シャクヤク、トウキ等10作物を7地域で講習。
調査・分析等 各産地の薬用作物に関する動向の把握や技術の普及等に必要な調査・分析等を実施する ・栽培技術等に関する調査
・栽培体系等の現地調査
・種苗供給に関する調査
専ら医薬品(生薬)に用いられる薬用作物の生産の推移
事前相談・マッチング窓口の設置
栽培技術研修の実施
検討会の実施
地域説明会・個別相談会の実施
調査・分析等

2017年度の「生薬(薬用作物)の生産拡大に関する要望票 」 スケジュール

  1. 全国8ヶ所 地域相談会開始(9月13日)
  2. 全国8ヶ所 地域相談会終了(11月30日)
  3. 要望票は随時受付(HP、MAIL、FAXにより直接提出)第2回の取り纏めは12月31日受付分まで
  4. 日漢協会員会社における折衝先検討(1月下旬まで)
  5. 折衝先選定結果の連絡(折衝先選定結果の連絡)
    ・折衝先として選ばれた事業主体  実需者より直接連絡
    ・選ばれなかった事業実施主体   協議会より直接連絡

薬用作物専用の農業用機械の紹介

日本薬用作物検討協議会が改良・開発した薬用作物専用の農業機械について、日本漢方生薬製剤協会のホームページにてご紹介しております。
【紹介している農業用機械】
1)トウキの栽培
  1. 実生苗用収穫機
  2. 苗選別機
  3. 苗定植機(中山間地用、大規模農地用 2種)
2)シャクヤクの栽培
  1. 収穫機
  2. 株分割・根分別機
3)その他
  1. オタネニンジンの苗定植機
  2. ブシ(トリカブト)の塊根分別機
  3. オウギの半自動茎切機
  4. ハッカの収穫機
  5. ミシマサイコの耕運同時畝立て播種機

薬用植物の栽培と採取、加工に関する手引き

日本漢方生薬製剤協会は、生薬のもととなる薬用植物の栽培や野生品を採取する際の管理や収穫後の調製過程が重要ととらえ、WHOの指針やガイドライン等に挙げられた要求事項を整理し、今般、「薬用植物の栽培と採取,加工に関する手引き」として取りまとめることができました。
【目次】
  1. 目的
  2. 用語の定義
  3. 薬用植物の栽培
  4. 野生薬用植物の採取
  5. 加工(収穫後または採取後の処理)
  6. 加工終了後の工程
  7. 従事者の健康と安全
  8. 従事者に必要な知識
  9. 自己点検
  10. その他
【各種記録様式】
参考様式1.対象とする栽培・野生薬用植物の鑑定記録の様式
参考様式2.薬用植物の栽培記録の様式
参考様式3.農薬、肥料、土壌改良剤等の使用記録の様式
参考様式4.野生薬用植物の採取記録の様式
参考様式5.薬用植物の加工(収穫後または採取後の処理)記録の様式

日本漢方生薬製剤協会 ホームページより「薬用作物専用の農業用機械の紹介」、「薬用植物の栽培と採取、加工に関する手引き」がご覧いただけます。
http://www.nikkankyo.org/